人事労務

労働協約と労使協定のちがい

2023/11/19 06:00

恥ずかしながら、労働協約と労使協定の違いがよくわかっておりません。 36協定が労使協定になることは存じ上げておりますが、労使協定と労働協約の本質的な違いと使い分けに関して説明いただけますと幸いです。

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2023/11/19 08:08
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荒木 勝次 弁護士
location_on 埼玉県

弁護士の荒木と申します。 労使協定と労働協約の本質的な違いは、規模や適用範囲、締結のプロセス、そして対象となる主体にあります。 例えば、 労働協約は、通常は組合と雇用者または雇用者協会との間で交渉され、合意される文書で、従って大規模かつ全体的な労働関係を取り決めるためのものになります。 組合員全体または特定の職種や業種の従業員に適用され、労働組合が複数の従業員を代表して交渉し合意します。 対して、労使協定は、通常は特定の雇用者と従業員との間で合意される文書で、個別の雇用関係に焦点を当てます。 労使協定は、特定の労働者と雇用者との関係に適用され、個別の雇用条件を規定するものになります。 また、労働協約は通常、大規模で均等な労働条件を確立するため使用される協定で、組合と雇用者との間での集団交渉を通じて、共通の基準を策定し、雇用者全体に適用される条件を明確にするものです。 さらに、労使協定は、特定の従業員と雇用者の契約条件を明確にするために使用されるため、個々の雇用契約において、給与、労働時間、職務内容、福利厚生などについての合意を文書で取り決めるものになります。 よって、労働協約は、全体的な労働関係を取り決めるために組合と雇用者の間で締結され、一般的な基準を確立するのに対して、労使協定は個別の雇用者と従業員の関係に焦点を当て、個別の雇用条件を規定するために使用されるというわけです。

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